上の3つはすごくすっきりしていて、果汁などの味わいが爽やかなもの。なんとアセロラやざくろは、フレッシュな果実をしぼるのだ! 「豆乳+アマレット」(「しずかな夜」の本にも掲載)は、豆乳がアーモンド風味のリキュールとほんとによく合い、私たちも撮影の時に「これはいいねー!」と言っていたのだった。下の2つはやや濃厚で、いい香りがする、寒い季節にぴったりなホットドリンク。
今井さんのダンナさんの後藤さん(「HAPPY & JUMP」にも登場したコピーライター)も到着。後藤さんもこのバーの共同オーナーのひとりなのだ。そしてなんと昔バーテンダーもやっていたという後藤さんは、毎週土曜日にここで腕をふるっているらしい。今日はカウンターの中でサポートしてもらうことになっている。あと私の友達の小沢さんとアピスラボラトリー(今井さんの会社)の染野さんにもお手伝いにきてもらった。「あと10分で開店ですよ〜」という後藤さんの声の中、8時ぎりぎりでようやくすべてのセッティングが終了!
いよいよ開店。暗くなった店内のテーブルには、キャンドルが灯って素敵な感じだ。しばらくして第1号のお客様が。さすがにオーナーの今井さんは、「いらっしゃいませ、よかったらコートを」なんて慣れているのだった。
しばらくして私の知りあいの方も。ご案内してメニューを見せ、「今日は私たちが給仕いたしますので(笑)」「おお、マダム〜(笑)」みたいな会話でおかしい。そして「ザクロ、ひとつです」と注文をカウンターの向こうに伝える。初めてなので緊張するような、ウエイトレス風の自分がおかしいような、へんな感じだ。
テーブルの上のおつまみやお菓子の説明もする。「なんかお皿の上がかわいいですねー」などと言ってもらう。全体的に小さなおつまみをちょこちょこと並べたので。それからほどなくお客様が続く。お菓子をつくってくれたminaさんもお友達と一緒に来てくれた。
中にはメニューを見て「えー、これも気になるしー、どうしよう」と迷ってくださったり、で嬉しかった。おつまみも「チーズにはちみつって合う」とか、「このチョコナッツ、おいしいですね〜」とか、全体においしいと言ってもらってよかった。女性のバーテンダーの皆川さんに「ドリンク、どれもおいしいそうですよ」と伝えると、聞こえなかったようで「え、どれが?」に「どれも」と言うと、にっこり。
合間にカウンターの上に展示した本やグッズを見てもらう。「ブローチかわいい〜」「これはグラスに巻いて使うんだ。へえ〜」「コースター、赤とグレーとどっちにしよう〜」などいろんな声をもらう。
その後もお休みの日の夜なのに、わざわざ遠くから来てくださった方もいて、たいへんありがたいことでした。そしてそんなにごったがえしたりしなかったので、私たちもゆっくりお話でき、「しずかな夜」になったのではないかな、と思う。そして深夜アピスラボラトリーのみなさんがダーツをしたりしている中、「今日はおつかれさまでした」と帰り支度。夜空の下を高速に乗って帰った。自分が何の職業なのか、なんだか不思議な感覚の夜のタクシーだった。
よなかにタクシーでかえってきました
バーですごすというのは
やはりおとなっぽいことなのかも
とおもいました
きれいないろの
グラスをかたむけるということ
くらいまどのそとにみえる
くるまのライト
じかんは
ふだんとは
すこしちがってすすんでいくよう
とうきょうのあるばしょでの
ほどよいかんじの
しずかなよる
きてくださったかたに
かんしゃのよる
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